salley gardens

   サリーガーデン                          
とびらのむこうは ゆめのじかん。。。

2歳のお子様から80歳の方まで、23年のレッスン経験の中で、いろいろな生徒さんにお会いしました。みなさん、それぞれに自分らしい進路、生き方を見つけ、しっかりと歩いていらっしゃいます。大好きなことを職業に!一生勉強できることを見つけよう!その応援をさせていただけたらと思います。



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小澤征爾先生 私の履歴書3
(私の履歴書)小澤征爾(3)敗戦の日 父から「好きなことやれ」 空襲警報気にかけず、間一髪


 おやじは官僚政治や権威主義を心底嫌っていた。理念も持たず中国人を蔑視する政治家や軍人が増えると、手厳しく批判した。1940年には言論雑誌「華北評論」を創刊する。「この戦争は負ける。民衆を敵に回して勝てるはずがない」とおおっぴらに主張し、今度は軍部に目を付けられるようになった。
 「華北評論」は検閲で真っ黒に塗りつぶされ、何度も発禁処分を受けた。日中戦争を底なしの泥沼と見たおやじはおふくろと僕たち兄弟を日本に帰すことに決める。
 「軍の輸送に迷惑をかけるから余計なものは持って行くな」と厳命され、家財道具はほとんど置いてきた。持ち帰ったのは着替えと中国の火鍋子、家族の写真アルバム。それからアコーディオンもあった。僕が生まれて初めて触った楽器だ。船と列車を乗り継いで日本に引き揚げた。41年5月だった。
 住まいは東京の西、立川市の柴崎町。若草幼稚園に1年間通った後、42年に柴崎小学校に入る。学校ではどうかすると「是(シ)(はい)」「不是(プシ)(いいえ)」とか中国語が出て悪ガキどもにからかわれた。頭に来て黙っていたら中国語はすっかり忘れてしまった。
 北京に1人残ったおやじは「華北評論」の刊行を続ける。「小澤公館」の看板を掲げた家には従軍記者の小林秀雄さんや林房雄さんも訪れたらしい。次第に軍の圧力は強まり、43年、おやじは追放されるように日本に帰ってきた。
 だんだん空襲がひどくなり、2人の兄貴が庭に掘った防空壕(ごう)にたびたび潜り込んだ。ある日、警報のサイレンが鳴っても構わず、庭で弟のポンと遊んでいたら敵機がダダダダーッと撃ってきた。隣の桑畑に砂煙が上がった。腰を抜かしたポンがその場にへたりこんだ。低空飛行だったから操縦士の顔がぼんやり見えた。初めて見る西洋人だった。あの頃は食う物がなくて、よくおふくろとポンと多摩川まで雑草を摘みに行ったのを覚えている。
 おやじは引き揚げ後、陸軍の遠藤三郎中将の委嘱で軍需省の顧問をやる一方、満州時代の仲間と対中和平工作を始めていた。国民党の蒋介石が交渉の条件として「天皇の特使として石原莞爾を出せ」と言ってきたらしい。そのために手分けして重臣たちの説得に当たっていたようだ。おやじは、敗戦後間もなく割腹自殺した陸軍の本庄繁大将の担当だと言っていた。だが工作は結局、失敗する。
 45年8月6日。広島に原子爆弾が落ちた。広島で軍医をしていた叔父の静は命こそ助かったものの被爆している。9日、長崎にも原爆が落とされた。15日、敗戦。玉音放送を家族で聞いた。おやじが僕たち兄弟に言った。
 「日本人は日清戦争以来、勝ってばかりで涙を知らない冷酷な国民になってしまった。だから今ここで負けて涙を知るのはいいことなのだ。これからは、お前たちは好きなことをやれ」
 敗戦から何日かして、おやじが今度は突然「これからは野球だ」と言い出した。おふくろにごわごわした布きれでグローブを作らせ、僕や近所の子供を集めて野球チームを作った。おやじが監督で、僕がピッチャーだった。小学4年生の夏のことだ。
(指揮者)
| 小澤征爾先生 私の履歴書 日経新聞 | 09:28 | - | - |
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